戻る


 

BPLにおけるホームアドバンテージとストラテジーについて

 

BPL2021で多くのドラマを生み出したストラテジーカードでしたが、自選曲をプレイすることの有利さ(ここではホームアドバンテージと呼ぶことにします)はどの程度なのでしょうか。

 

BPL2021では大会全体を通じて224曲がプレイされ、そのうち37曲はストラテジーが使われ、187曲がそのままプレイされました。

そのうち自選側が勝ったケースは118曲になり、自選曲側の勝率は62.8%となりました。

 

実力が同じプレイヤーなら勝率は50%となることから、自選曲のホームアドバンテージは+12.8%、と結論付けるとそれは不正確で、実際には実力が離れたプレイヤー同士だと自選の効果はもっと少ない(仮に筆者がU*TAKA選手に自選曲を投げても勝率が12.8%になることはないでしょうし、逆にU*TAKA選手が筆者に自選曲を投げたからといって勝率が112.8%に向上することは無い) からです。

 

対戦結果から最尤推定で計算した自選曲の効果は、イロレーティングで

「ホーム側にR+188

が掛かる、というものでした。

 

どの程度の効果か?というと、実力が同じ(ランダムに選曲した場合は五分五分になる)プレイヤー同士の場合、自選側はR+188の追い風を受けて期待勝率が74.7%まで+24.7%向上するということです。

 

ドラフトの各巡目選手における平均的なレートと、期待勝率は以下の通りです。(縦軸が自分、横軸が相手)

 

(1)


 

ここで自選曲(ホーム)側の場合の期待勝率はこのようになります。

 

(2)


 

概ねドラフト1巡の差をチャラにするほどの効果があることが分かります。

 

 

逆にアウェー側の勝率は25.3%に下がります。

 

(3)


 

 

ここから分かることは、

ホームアドバンテージは実力が近いプレイヤーほど勝率の向上が大きく、また少しだけ格上の相手に自選曲を投げる(下図でのドラ4→ドラ3)瞬間に効果が最大になる、ということです。

 

(4)


 

 

これは実力が競り合う瞬間にホームアドバンテージ(ハンデ)を貰う効果が大きく、特に少しだけ上の相手にホームアドバンテージを得ることで相手を追い抜くことが可能になるためです。

 

 

同時に、どのようなシチュエーションでストラテジーカードを使うと効果的か、ということも分かります。

ストラテジーカードの効果は、相手の自選曲を打ち消してランダムな選曲でプレイする(相手のホームアドバンテージを無くして平等な状態で対戦する)という効果だからです。

 

ストラテジーカードによる勝率向上は以下の通りになります。

(5)


 

ホームアドバンテージ効果が最大になるのは少し格上の相手に自選をぶつける場合でしたが、ストラテジー効果が最大になるのは少しだけ格下の相手を封殺する場合です。

上図でもドラ3→ドラ4で相手の自選を防いで蓋をする場合が最大効果になっています。

 

 

もちろんチーム状況や、相手の叙情をピンポイントで止める場合、また脱法皿曲などの脱法曲を止める場合など、状況に応じた様々な使い方がありえます。

一方で基本的な使い方としては格下からの逆転を止めるケースが効率的だということが分かるかと思います。